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みどりな生活
一滴海之庭
2013年6月16日
そこは、表のからっとした石庭の雰囲気とはまったく異なる、青々したみずみずしい世界が広がっておりました。
苔が陸で、砂が海。
白い海に写る木漏れ日は、水面に反射する光の様で、全体が何とも眩く光り輝いて見えます。
海の隅々まで行きわたる波紋を見ながら、波紋を生み出した一滴を想像してみました・・・
じっと座っていると、風に大きく揺れる梢のゆったりした時間と、幹をよじ登るトカゲや羽ばたき集うスズメの、せわしい時間がひとつどころにあるという事が庭の中に見てとれて、「この世界をただ見ている」という存在になれました。
見ているだけで楽しめるお庭、というのは見どころがあるからだと解釈しておりましたが、ここは、見ているという存在になれる幸せ、を齎してくれるお庭だなぁ、と感じたのでした。
来る人来る人が「綺麗・綺麗」と言うのも、長くとどまって、たわいのない会話を始めるのも、きっとこのお庭が持っている美しい生命力を感じるからなのでしょうね。
近場にこんな美しい苔の庭があるとは、うれしい発見でした。
また何度となく通いたくなるお庭です。