社長ブログ

2024年01月22日
桂離宮

桂離宮は宮家の別荘として創建されたもので、今から約140年前に宮内省所管となって「桂離宮」と称されている。

また、近代化が進む中で現代風のプレハブ住宅の屋根が庭園内から見え始め、植物の樹高などで見えないように工夫されている。そのため、約60年前にも農地を7000㎡購入され景観保持の備えを万全に期しているそうだ。

中央には複雑に入り組んだ汀線をもつ池があり、大小の中島に土橋や板橋、石橋が渡っていて、書院や茶室に寄せて舟着きを構えた回遊式庭園となっている。

切石や自然石が巧みに利用され、その奥行きや幅など人間の視覚を惑わす技法が散りばめられている。それは一つひとつの理由があり、見せる部分と隠す部分であったり、自然石と切石の幅が狭くなって奥行き感を出したり、橋を左に傾けて左に道が続いていくことを連想させたり。もちろん、説明を聞いて初めて知る部分も多いに違いない。

こういった造園技法は外構・エクステリアの技術が進んだ現代ではなかなか携われるものではないが、造園職として従事する私たちは造園とエクステリアの融合を実現するために当然見識として持つべきであるし、是非お客様も足を運んで戴きたい場所の一つである。